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  The 1st International Conference Brawijaya Dentistry 

 - インドネシアでの一週間 -        成 昌奐(ソンチャンファン)


プロローグ

鹿児島大学医歯学総合研究科の口腔顎顔面外科学の大学院2年のソンチャンファンと申します。
この度、2019年11月17日から21日(日)までThe 1st International Conference Brawijaya Dentistryに参加するために中村教授と共にインドネシアに行ってきました。インドネシアではジャカルタースラバヤーマランの順に行きました。では、今から自分が経験し感じたことについてスケジュールに沿ってお話ししたいと思います。

11月17日 (日本からジャカルタへ)


● インドネシア大学の薩摩スチューデントと再会

朝5時頃、ジャカルタ空港に着き、次のスラバヤに行くまでに数時間しかありませんでした。
まず、インドネシアの独立を象徴するモナスを見た後、ジャカルタで大きいショッピングモールに行き時間を過ごしました。そこで、まさか2019年に医局で研修を行ったインドネシア大学の口腔外科医の先生が集まったときには驚きました。中村教授に挨拶するために忙しい仕事の中集まり、また自分たちを「薩摩スチューデント」と言うところは感動的でした。
鹿児島では2週間程度で短い期間でしたが、大切な思い出として持ち続けていることがわかりました。

● Airlangga大学でのミニレクチャー

ジャカルタからスラバヤに移動し、まず、去年博士課程を卒業されたスバン先生が働いているAirlangga大学に訪問しました。学長を含め多くの先生方々が親切に迎えてくださいました。Airlangga大学は校内に庭園があり、建物がとても綺麗で、学生さんは活気あふれていました。中村教授の学部生への特別授業のときには皆が集中して聞き、質問も手を挙げて積極的に授業に参加する姿が記憶に残りました。
今回、自分はAirlangga大学でSpecialist programを受けている大学院生に対し、「Laboratory works : What graduate student should do」をタイトルに発表を行いました。
日本で博士号を取るために論文が必要であるように、インドネシアでもスペシャリストになるためには論文を書かないといけません。今から各講座で基礎研究を行うに当たって、どのように研究テーマを決めて実験を進めていくかについて話をしました。
今まで1時間も英語で発表したことはなかったので、準備するときに非常に大変でしたが、皆が集中して聴き、終わった後も質問をたくさんしてくれたためとても嬉しく思いました。忘れられない良い経験でした。

● Airlangga大学の研究施設訪問

次の日は、Airlangga大学の研究施設に訪問し、どのような研究が行われているか見学を行いました。
スバン先生が鹿児島大学院を卒業し母校であるこの大学に戻られた後、口腔外科の医局員に積極的に声をかけ、中断されていた研究活動を改めて再開させたことを聞き、同じ大学院生として誇りに思いました。
日本での研究施設に比べると機材や試薬などがやや足りないところはありましたが、医局員と大学院生が一つになって研究に取り組んでいる姿はとても印象的でした。主な研究テーマは「骨再生」で、現在自分が行っている研究と関連が深いため、お互い協力し合える関係を続けたいと思いました。

● Airlangga大学病院での活動

毎年、中村教授はAirlangga大学で講義のみならず、手術も行っています。
今回、手術することになった患者さんは先天的に口蓋に大きな瘻孔がありました。医局内でのカンファレンスが開かれ、中村教授を含め皆が手術法について議論しました。日本では腸骨移植が主に行われますが、インドネシアでは宗教状できないため、舌弁を用い口蓋欠損を閉鎖することになりました。
手術は無事に終わり、スラバヤを去る最後の日も状態を確認し、家族に説明を行いました。国を超えた医療交流はとても素晴らしいと思いました。

● スラバヤで泊まったMajapahitホテル

スラバヤで最も有名なホテルとも言われるMajapahitホテルで1泊しました。
インドネシアの国旗が初めて掲げられた場所でもあるようです。 グランドピアノがあったので、弾いて良いか聞くと自由に弾いてくださいと言われて気持ちよく弾けました。
次の日にはスラバヤを離れてマランに向かうため、この日はMajapahitホテル内を満喫しました。


11月21-23 (マラン)

  

● Brawijaya 大学歯学部訪問

スラバヤからマランに移動し、次の日はBrawijaya大学の歯学部を尋ねました。
Brawijaya大学は、現在同じ医局に去年入局したFredy先生の職場でもあります。数か月前までに講師として口腔外科学を学生さんに教えていたFredy先生が久しぶりに戻ってきたため、学生さんからの歓声がすごかったです。
それにもまして、中村教授が特別授業をするために登壇されるときには教室が響くほどの歓声が沸き上がりました。授業後の質問のときには、手を上げる学生さんが多すぎたため、授業の時間が過ぎたにも関わらず続きました。
歯学部に入ったことを自負心持って授業に臨んでいる姿を見て色々考えさせられました。
嬉しいことに、K-popの影響で韓流ブームがインドネシアで広まっており、自分に対しても温かく向かい入れてくれました。インドネシアでは最近、親指と人差し指でハートマークを作るK-popアイドル風の挨拶が流行っており、みんなで写真を撮りました。

● The 1st International Conference Brawijaya Dentistry参加

インドネシアに来る主な理由であるBrawijaya大学主催の国際学会に参加しました。
第1回目ではありますが、多くのアジアの国から参加者が集まり、口演やポスター発表を行いました。世界的に活躍されている先生の口演を聴ける良い機会でした。
その中で、中村教授のインドネシア語と英語を自由自在に使いこなせる能力は特別講演のときに最も拍手が大きかった理由の一つだと思います。
今回、自分はNonstudent categoryのコンペティション部門にノミネートされ、10分間の口演発表、5分間の質疑応答を行いました。
5分間すべて英語で質問に対し答えることは難しかったですが、頑張って自分の考えを伝えました。
その結果、運よく1st Winner-Best Oral Presentation Awardに選ばれることができました。嬉しいことに、Student categoryではスバン先生も入賞され、初参加で大きな成果を得ることができました。
残念ながら、授賞式には参加できませんでしたが、Brawijaya大学の先生方が食事会のときに授賞式を開いてください、一生思い出となる記念写真を撮ることができました。とても感謝します。


11月24日 (帰国)

無事にインドネシアでのミニレクチャーや学会発表を終わらせ、日本に帰る日が来ました。
インドネシアに来る前は約1週間の期間がとても長く思いましたが、いざ来るとあっという間に時間が経った気がしました。
今回の国際学会に参加し、受賞したことはもちろん嬉しいことですが、それ以上にインドネシアの口腔外科先生や大学院生と知り合えたことが最も貴重だと思います。たとえ言語や宗教が異なっても患者さんを治療したい気持ち、研究に対する思いは国籍によらず同じだということを身をもって感じました。
また、今まで通りに鹿児島大学で頑張っていけば世界でも通用すると信じ今後より頑張っていきたいと思います。

最後にインドネシアのマランで撮った写真をお見せしたいと思います。
マランにも桜島のようなブロモ山(活火山)があります。朝、ホテルのカーテンを開いたときに見えるブロモ山は、インドネシアとは思えない親しみを感じさせます。

この度、初めてインドネシアに行ったため何もわからない自分を案内してくださった、中村教授を初め、スバン先生やインドネシア大学、Airlangga大学、Brawijaya大学の先生方に感謝します。





  
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